小鹿野歌舞伎の紹介
小鹿野歌舞伎の起源は今からおおよそ220年前にさかのぼり、江戸で修業を積んだ初代坂東彦五郎が帰郷後近所の若者に歌舞伎を教えたことに始まります。その後小鹿野を本拠地に芝居一座が引き継がれ、明治・大正期に秩父の歌舞伎の最盛期を作りました。昭和に入り、映画などの流行から一座芝居も大きく変化しましたが、文化財保護の気運が高まり、昭和48年に小鹿野歌舞伎保存会が結成されました。昭和50年には県指定無形文化財、昭和52年に県無形民俗文化財の指定を受けています。
昭和46年より始まった郷土芸能祭を始め、町内の常設舞台や掛け舞台、祭り屋台(山車)で年間8回定期的に上演されています。最近では、子供歌舞伎、若手歌舞伎、女歌舞伎に加えて町民参加型の「入門教室」も活躍し、後継者への受け継ぎも盛んで「町じゅうが役者」といわれています。
歌舞伎を町の文化使節として派遣する「地域間文化交流事業」も好評を得て、これまでに県内外20数カ所で公演しました。歌舞伎を通じた文化交流を積極的に進め、町のイメージアップを図っています。
これら歌舞伎を中心とした地域性を生かした伝統文化によるまちおこし事業の成果が認められ、平成5年度に埼玉県「ふるさと彩の国づくりモデル賞」を受賞しました。また、平成7年度から県補助事業として「歌舞伎のまちづくり」の指定を受け、地域独自の文化を創造するよう町じゅうで様々な活動を展開しています。