国指定天然記念物「ようばけ」
「ようばけ」とは
小鹿野町下小鹿野奈倉地区の東側,赤平川の対岸(小鹿野町長留)に,白い岩肌を見せる大きな崖のことを言います。「よう」は 巌(岩)(いわお→よう),「はけ」は崖のことで,岩の崖という意味です。また,「よう」は夕陽のあたる様子だという説もあります。
この崖は,奈倉地区をとり囲むように曲流する赤平川の浸食を受けてできた,高さ約100m,幅 約400mの大露頭で,秩父盆地の基盤をなす海成層(古秩父湾堆積層)を広く観察でき,カニ化石の産地として知られています。
※埼玉県自然環境保全地域(昭和52年3月指定)
※ 国の天然記念物「古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群」(平成28年3月指定)の6つの露頭のうちの1つ
「ようばけ」にみられる地層と化石
ようばけの地層は今から約1500~1600万年前(新生代新第三紀中新世)の海底につもったものです。当時は日本海が誕生し,日本列島の大部分は海となり,暖流に洗われていました。その後,現在の地形が形づくられてくる過程で陸地となり,地層は傾き,川に侵食されて,地層が現れました。